まだ小さな赤ちゃんがふとした時にする指しゃぶりは、なんだかとっても可愛く感じる仕草ですよね。しかし、大きくなるにつれ、指しゃぶりをしていても大丈夫だろうかと不安に感じるママも多いのではないでしょうか。
よく、指しゃぶりを続けていると出っ歯になるという話を聞いたことはありませんか?今回は、指しゃぶりをすることで及ぼす影響や、本当に出っ歯になってしまうのかを解説していきます。
指しゃぶりは出っ歯になるって本当?
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指しゃぶりは出っ歯になってしまうのでしょうか。
その答えは、絶対に出っ歯になるというものではありませんが、残念ながら出っ歯をはじめとする、歯並びや噛み合わせなどに影響を与えてしまいます。
指しゃぶりを長く続けてしまったことで起こる影響は、上の前歯の部分が前の方に出てくるいわゆる出っ歯という症状(上顎前突)を起こしやすくなります。
また、上下の前歯に隙間ができてしまう開という症状や、上下の奥歯の中心がずれて合わなくなってしまう片側性交叉咬合という症状を起こす危険もあります。
ただ単に出っ歯などの状態になるのではなく、歯の状態に異変を起こすことで、上下の前歯に隙間ができることで舌を押し込むような「舌癖」を起こし、舌足らずな発音になってしまうこともあります。
また、出っ歯の状態になってくると口をいつも開ける癖がついてしまい、口呼吸の状態に陥ってしまうなど、健康はもちろん、成長家庭にも何かしらの影響を及ぼし兼ねなくなってしまいます。
指しゃぶりが与える影響は、専門医によって異なる見解
指しゃぶりは、やっぱり出っ歯になってしまうんだと焦ってしまうかもしれませんが、指しゃぶりに対する考え方は、小児を専門とする医師によって見解が分かれるようです。
小児科医、小児歯科医、臨床心理士のそれぞれの考え方について見ていきましょう。
小児科医
指しゃぶり自体は、人間が誰しも持つ生理的な行為のため、無理にやめさせる必要はないという小児科医が多いです。
特に幼児期は、不安や緊張感を和らげるために指しゃぶりを行うお子さんも多く、精神的な安定のためには必要なときもあるとしています。
小児歯科医
指しゃぶりの影響について一番敏感に、そして4歳を過ぎてきたらやめさせるように働きかけた方がよいという医師が多いです。
指しゃぶりによって起こる影響は、歯医並びなどの口元に集中するからこそ厳しく考えている傾向にあります。
臨床心理士
臨床心理士の観点からみた指しゃぶりは、4歳くらいまでは生理的なものとして捉えています。
しかし、それ以上の年齢になると指しゃぶりをする子供の心理面や、そうさせてしまう親子関係、生活環境などの影響を心配し対応していく傾向が強いです。
このように、指しゃぶりに対する見解は、同じ医師でも診療する目的によって違いがあるものなのです。
成長によって変化する指しゃぶりに親としてどう対応する?
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指しゃぶりに対して親はどのように対応していけばよいのでしょうか。
出っ歯などの症状を起こさず、しかも精神状態も安定させつつ対応していくには、医師と相談しながら焦らずが一番です。
一般的な子供の発達と指しゃぶりの経過は、1歳までの乳児期は、生理的行為として気にする必要はありません。
2歳までの幼児期は、昼間の指しゃぶりが減少し、退屈な時や眠い時などにみられることが多く、そのような頻度の場合は気にする必要もありません。ただし、1日中指しゃぶりをして、タコができてしまっている場合は、大きくなった時に習慣化しないようにするために、小児歯科医または、臨床心理士に相談すると安心です。
3歳~小学校入学前は、幼稚園や保育園へ通うようになり、社会性が発達する時期なので指しゃぶりは自然と消滅していきます。この時期に頻繁に指しゃぶりをする場合は、積極的に対応していくようにしましょう。
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