【むらつ歯科クリニックの特徴と歴史】進化する治療と創業時から変わらぬ思い

【むらつ歯科クリニックの特徴と歴史】進化する治療と創業時から変わらぬ思い

博多駅から徒歩5分、むらつ歯科クリニックの創業エピソードと治療のこだわりを院長からご紹介します。 2021年06月26日作成

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博多駅から徒歩5分、むらつ歯科クリニックの創業エピソードと治療のこだわりを院長からご紹介します。 2021年06月26日作成

話し手:歯学博士・村津大地
医療法人むらつ歯科クリニック理事長。九州大学歯学部大学院卒業、福岡歯科大学医科歯科総合病院口腔外科助教任務。

むらつ歯科クリニックの特徴

──むらつ歯科クリニックはどんな歯科医院ですか?

むらつ歯科クリニック | 歯臓治療なら、むらつ歯科クリニック

出典:https//muratsu-dc.jp

現院長・村津大地

むらつ歯科クリニックは1993年に先代の村津和正が開業し、現在は2代目である私・村津大地が院長を務めています。

当院では、先代の提唱した「歯は臓器」の考え方を大事にしています。

「歯」は単に噛むための道具ではなく、大切な体の一部であり、命とつながる重要な臓器であるという考えのもと、歯のみでなく全身の健康を見据えた治療を行っているのが特徴です。

──「歯は臓器」とは何ですか?

「歯は臓器」は、先代院長であり私の父である村津和正が持っていた信念です。

父は30年以上前、九州大学病院での健康調査のプロジェクトをきっかけに、歯の状態と健康が結びついていることに気づきました。歯のかむ場所によって血圧が変化することを発見したんです。それをきっかけに、歯は噛むだけの道具ではなく、全身に繋がる臓器なのかもしれない、という考えに至りました。

この「歯は臓器」という考え方は今でこそよく聞かれるようになりましたが、当時は誰も提唱していませんでした。それゆえに父は異端扱いされたり、誹謗中傷を受けたりしたこともありました。

しかし、父は「歯は臓器」のモットーを変えずに研究と治療を続け、本の執筆にも精力的に取り組み、歯と体、健康のつながりを訴え続けました。そして、歯科に「かみ合わせ」を含む内科的な視座を加えた「歯臓治療(はぞうちりょう)」を完成させたんです。

2代目である私も「歯は臓器」のモットーとかみ合わせ技術を受け継いで、新たな視点で歯臓治療の進化・発展に務めています。

──なぜむらつ歯科クリニックでは自由診療(保険が適用されない診療)なのですか?

患者さんにとって本当に良い内容、順番、歯科材料をもって、丁寧な治療を行うためです。

当院では歯は全身の健康の入り口としているため、口の中に入れるものは徹底的にこだわるべきだと考えています。

たとえば、穴が空いた歯に詰めるものやかぶせるものには、何を使ってもいいのでしょうか?

一般的なかぶせものとしては"銀歯”がよく使われますよね。これは保険が適用されるため安価で導入できるのですが、一方で全身の健康の面でいうとデメリットもあります。

銀歯など口の中の金属は金属イオンとして溶け出すため、それを飲み込むと全身を回り、体内に金属イオンが蓄積することになります。すると結果的に皮膚に皮膚炎としてアレルギー症状が発症することがあるのです。

このような、長期的に健康を害するおそれのある材料を使った治療は、当院ではご提供しません。先述の銀歯を使わない代わりに、セラミックやジルコニアと呼ばれる安全性の高い素材を使用しています。

しかしセラミックやジルコニアは現状の保険制度では保険が適用されないため、自由診療となります。

このように、保険診療(保険が適用される診療)では患者さんの自己負担額が安く済む一方で、治療の順番や内容、使用する材料などが決められています。たとえより良い治療法や素材があったとしても、保険診療では素材や内容を自由に変えて提供することはできないのです。

保険のルールに縛られず、私たちが本当に良いと自信を持っておすすめできるものを患者さんにご提供したい。それが一生モノの、本物の医療だと思っています。その思いから、当院ではすべて自由診療としています。

創業者であり父である前院長の思いを継いで

──なぜむらつ歯科クリニックを創業したのですか?

むらつ歯科クリニックは、「歯は臓器」を実証するために始まりました。

開業前、父は九州大学病院に所属していましたが、「歯は臓器」の考えをもとに自力で研究を続ける必要があったため、当院を開業しました。

それから父は25年間「歯臓治療」を行い、おかげさまで全国から13,000例を超える患者さんを診てまいりました。

私も若いころは誹謗中傷を受けてまで研究を続ける父の考えを理解できずにいましたが、寝る時間を惜しんで治療と研究に打ち込む父の姿を見て、自分も歯科医を目指してみようと思ったんです。

そして実際に医療の現場を経験する中で、父の「歯は臓器」という考えの正しさに気づきました。

──「歯は臓器」を理解するきっかけは何だったのですか?

私自身が歯科だけでなく口腔外科などを経験し、身体全体と歯のつながりを実際に診てきた経験からです。

父を尊敬し歯科を学ぼうと歯科大学へ進んだものの、大学では「歯は臓器」の考え方を提唱している人は当然ながらいませんでした。あくまでも主流と言える保険診療中心の、歯の治療のみにフォーカスした内容を学びました。結果的に、父を批判していた人たちの考え方もわかるようになったんです。
たしかに当時の主流であった考え方からすれば、父の考え方は少数派でした。

しかし、それでも父があれほど熱量をもって提唱していたことが頭ごなしに批判される理由がわからなかった。そこで、父の出身である九州大学へ改めて入り直し、研修医として「口腔外科」に勤務しながら確かめてみたんです。

口腔外科とは、虫歯治療などではなく口腔がんや舌がんなどを見る外科の1つです。当然、手術もするし、血液検査などをして患者さんの全身を診ていました。

さらにその後、大学院、総合病院での勤務を経て、歯科、内科、外科の知識と経験をもって患者さんを診ていくと、やっぱり口の状態と全身の健康には関係があると改めて感じるようになりました。

同時に、保険診療を中心とした大学教育の内容やそれを過信している医師にも疑問を感じていました。保険適用だからといって、将来的にデメリットのあるやり方や材料で治療を行うことは、本当に良い医療と言えるのでしょうか。それは医療ではなく、応急処置ではないだろうか、と。

結局のところ、父の考え方は正しいと確信しました。父を批判していた人たちは、「歯は臓器」の内容をよく理解せずに、ただ少数派であるという理由で批判をしていたんです。それがわかったので、大学病院を退職し、実家へ戻りました。

──2代目院長になったことで、むらつ歯科クリニックは何か変わりましたか?

先代である父がいなくなってもクリニックが変わらないよう、技術や文化を変えずに守り抜きました。

父から私への代替わりは突然のことでした。
2015年、私が大学病院を退職して実家に戻った半年後、父が病気で倒れました。そこから院長代行として治療と経営を担うことになり、今に至ります。

名物院長であった父がいなくなったことで、患者さんはきっとがっかりしたと思います。
当時は父が病気であることは伏せていたので、父の治療を受けにはるばるやってきてくださった患者さんに父の不在をお詫びして頭を下げることしかできず、不甲斐ない思いでいっぱいでした。

当時の私は大学病院での研究と勤務を経て父のもとで基本的な研修を受けていたのでひととおりの治療はできるようになってはいたものの、25年の経験がある父と1年目の私ではどうしても埋まらない差がありました。

しかし、そこで今までの父のやり方を無視して自分のやり方に変えてしまっては、これまで当院を信頼してくださっていた患者さんのためにならないと思いました。

変えることはたしかに簡単です。でも、父がいなくなってもクリニックは変わらないねと言ってもらうことが大切だと思ったんです。

むらつ歯科クリニックが提供するもの、ご満足いただけるような結果を出すことは変えてはいけない。その思いから、2代目となった後の2年間は父の時代の仕組みや技術、スタッフもいっさい変えることなく継承し、治療を続けました。

──どのように先代の技術を受け継いだのですか?

父の時代と同じくらい効果が出る新たな方法を開発しました。

実は、父の方法をそっくりそのまま私が再現することはできませんでした。父は空手や気功をやっていて身体のエネルギーの流れを感覚的に理解して治療していましたが、それは私には会得できないものでした。

そこで私は、これまでの歯科と口腔外科の経験をもとに、かみ合わせと身体の筋肉との関係性を検証していったんです。

父も病床にありながらその検証に協力してくれ、何度もトライを重ねました。そして、父と同じ感覚を持てなくとも、父と同じ効果を出せる再現性のある手法の開発に成功しました。

──その後から現在まで、どのようにむらつ歯科クリニックを運営してきましたか?

先代が目指していた「本当にいいものを提供する、本物の医療」を決して変えることなく、進化し続けています。

先代から私へ変わったことで、一時は患者さんの数も減り、経営に影響が出るときもありました。患者さんの数を増やすために、自由診療ではなく保険診療にしたほうがいいのだろうかと考えたときもありました。

しかし、そこまでしてクリニックを残す意味はあるでしょうか? 
当院は、私たち自身が本当にいいと信じる本物の医療を提供する場所であり、それを必要とされる患者さんのためにあります。

ならばこの信念を貫いて、最後の最後まで本物の医療を続けるべきだと思いました。だから、どれだけ経営が厳しくなろうと、保険診療を入れることなく続けてきました。

代替わりから2年後には患者さんも以前と変わらず来てくださるようになり、経営も回復してきました。そこから、父の時代にはなかった新しい技術やより良い素材を取り入れ、現在に至るまで治療を日々進化させています。

結果的に、今では父の時代に比べて最新の機器がならぶ現代的な医院になりましたが、患者さんからは「変わらないね」と言っていただくことが多いです。

父が貫いた「本物の医療」という考え方に間違いはないと私は信じています。これからも、私たちを信じてくださる患者さんのために、本当にいい医療を届けたいと思います。

進化を続けるむらつ歯科クリニック

──今後取り組みたいことは?

歯科だけではなく、心と体の健康をお手伝いするトータルヘルスの実現を目指しています。

当院は先代の「歯は臓器」の真理を受け継ぎ、歯だけではなく全身を見て治療を行ってきました。たとえば膝や腰の痛み、場合によってはパーキンソン病などの難病に苦しむ患者さんもいらっしゃいます。

かみ合わせ治療などで痛みの症状に改善が見られる場合もありますが、当然ながら歯科として治療できないものも多くあります。

今後はそういった歯科では関与できない分野での健康のお手伝いをしたいと考えています。

具体的には、再生医療と美容医療の2つに取り組んでいきます。

再生医療では、幹細胞など人体の持つ成長因子を用いて臓器や組織を再生し、失われた機能の回復を目指します。歯科では治せない疾患や、従来の医薬品では治療法がむずかしい難病への新たな治療法となる可能性があります。

美容医療では、たとえば美容皮膚科でのアンチエイジングなどに取り組んでいきたいと考えています。
40代~60代の女性では肌のくすみやしわ、ハリの無さなどは「老け」を意識する要因になり、心の健康まで損ないかねません。
美しくあることは、心の健康にもつながります。アンチエイジングによってご自分への自信を取り戻し、心から若返って喜びを感じることができれば、免疫力向上にもつながるかもしれません。

実際に、喜びが免疫力の向上につながった事例はいくつもあります。お化粧をしたことで認知症に改善が見られたり、大いに笑うことでがん細胞を減らせたりと、笑顔や喜びがもたらす健康効果は世界中で調査・研究が進んでいます。

患者さんが自分らしく自信をもって健康に生きられるよう、歯科だけではないトータルサポートをしていきたいと思っています。

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