奥歯が生えてくるのはいつ頃?
奥歯には食べ物をすりつぶしたり、噛み合わせを安定させる役割があります。また、「歯を食いしばる」といいますが、このとき最も大きな力がかかるのが奥歯です。奥歯がなかったり、噛み合わせが悪かったりすると人は力を十分に出すことができません。
このように重要な役割を持つ奥歯は、いつごろ生えてくるのでしょう。
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乳歯の奥歯は8本だけ
子供の歯である乳歯が生え始めるのは、生後6カ月頃からです。最初は前歯から生え始め、上下4本ずつの前歯は生えそろうと、奥歯が生え始めます。奥歯が上下左右生えそろうのが1歳6カ月頃。次は前歯と奥歯の間に犬歯が生え、最後に一番奥の歯がはえてきます。最後の奥歯が生えそろうのは2歳6カ月から3歳頃。乳歯は全部で20本、このうち奥歯は上下左右2本ずつの8本です。
歯の生え方には個人差がありますので、多少時期が遅かったり、順番が違ったりしても心配はありません。
永久歯の生え変わりで奥歯は16本に
乳歯が永久歯に生え変わり始める5歳~6歳頃、乳歯の奥に新しい歯が生え始めます。これが6歳臼歯と呼ばれる第1大臼歯で、永久歯でいえば、奥から2番目(親知らずを除く)の歯になります。そして、生え変わりの終わり頃の11歳~12歳頃、第1大臼歯の奥に第2大臼歯が生え始めます。別名、12歳臼歯といいます。そして、1年くらいかけてすべての永久歯が生えそろいます。
生え変わり時期に新しい歯が上下左右の奥に2本ずつ生えてくるので、奥歯は全部で16本、永久歯は28本になります。
親知らずが生える時期は人それぞれ
28本の永久歯が生えそろった後、10代後半から20歳くらいまでの間に生えてくるのが第3大臼歯、いわゆる「親知らず」です。しかし、親知らずをすぐに抜いてしまったという人、親知らずが生えてこなかったという人は多いのではないでしょうか。それだけトラブルの多い歯です。
実は、火を使い、肉や木の実などを軟かくして食べることができるようになった現代人にとって、親知らずは歯としての機能を果たさず、不必要な歯だともいわれています。原始人と比べて噛む力が弱くなり、あごの骨が小さくなった現代人の口の中には、親知らずが生えるスペースが足りなくなっています。そのため、親知らずは真っすぐ生えなかったり、生えてこなかったりするのです。
ですから、生えてくる時期も人によって大きな差があり、普通は10台代後半から20歳ごろまでに生えてくるのですが、30代過ぎて生えてくる人もいます。
奥歯の虫歯を防ぐには
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乳歯の虫歯のほとんどが奥歯に
永久歯は乳歯に比べて丈夫で、エナメル質や象牙質の厚さが2倍あります。逆に言うと、乳歯は永久歯に比べて軟かく、虫歯になりやすいということです。
特に虫歯に気を付けなくてはならないのが奥歯。奥歯は歯ブラシが届きにくいうえ、奥歯の溝に食べ物のかけらがたまりやすいため、油断をしていると、すぐに虫歯になってしまいます。
しかし、生えたての頃はまだ弱く、しっかりとしたケアが必要です。特に虫歯になりやすいのは、やはり奥歯の溝。歯磨きだけでなく、定期的に歯科医院で検診をうけることも大切です。
最初の奥歯が生えたら歯磨きを
奥歯が生え始める頃が、歯磨きを始めるタイミングです。奥歯は歯ブラシが届きにくく、複雑な形の溝があるので、特に虫歯には気を付けましょう。
それまでは、ガーゼや綿棒で歯の汚れをふき取ってあげるのがいいでしょう。また、最近は親が指にはめて使うシリコン製の歯ブラシもあります。大事なのは、歯磨きのため、口の中に指や道具を入れられることに赤ちゃんが慣れること。少しづつ慣れさせていき、奥歯が生える頃には歯ブラシを口に入れられても抵抗しないようにしていきましょう。
フッ素やシーラントで予防も
虫歯予防には、歯磨きのほか、フッ素塗布やシーラントも組み合わせると効果的です。
フッ素は歯の質を強くする働きが認められていて、多くの歯磨き粉にも配合されています。これを歯科医院で歯に塗ってもらいます。
また、シーラントとは、虫歯になりやすい歯の溝や側面などを歯科用のプラスチックで埋める処置のことです。
フッ素塗布もシーラントも条件がありますが、保険適用されます。興味がある方は歯科医院で相談してみるといいでしょう。
親知らずは抜いたほうがいい?
親知らずは、正しい方向に生えてくることが少なく、虫歯にもなりやすいので、生えてくるとすぐに抜かれてしまうことが多い歯です。しかし、うまく歯列に収まってしまえば、あえて抜く必要はありません。
親知らずを抜かなければならないケース、抜きたくないときの注意点について紹介します。
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親知らずの抜歯を考えるケースとは
親知らずを抜くかどうか、の判断の大きなポイントは歯としての役割を果たしているかどうか、です。
親知らずは斜めに傾いて生えてきたり、上下の片方しか生えてこなかったりすることがあります。すると、うまく歯が噛み合わなくなり、口の中を頻繁に噛んでしまうことがあります。また、歯磨きもうまくできませんし、歯全体の歯並びにも影響しかねません。こうした状況で、親知らずが痛んだり、虫歯になったりすると、抜いたほうがいいケースということになります。
また、親知らずは歯の奥にあるため、虫歯治療の器具が届きにくく、治療が難しいときもあります。こうしたときも、抜いたほうがいいと判断されます。
親知らずを抜きたくないときは
抜歯してしまうことがある親知らずですが、必ずしも抜けばいいというものではありません。上下とも正しい方向に生え、噛み合わせに問題がないときは抜かずに様子を見ます。
抜かずに置いておけば、将来、ブリッジの土台として使えることがありますし、別の歯が抜けたときに、そこに移植できることもあります。
また、親知らずを抜いた後は、かなりの痛みがあり、歯茎が腫れ上がることもあります。ですから、絶対に抜歯したくないと思っている方もいるでしょう。
正常に生えている親知らずなら、虫歯にならないようケアをしていれば残せる可能性があります。しかし、歯ブラシが届きにくい親知らずのケアは大変です。歯ブラシだけでなく、デンタルフロスも使って歯の隙間や側面の汚れをしっかり落とさなくてはありません。
歯科医院で歯の生え方をチェックしてもらい、歯磨きの指導を受けるといいでしょう。
大切な奥歯。虫歯にならないようしっかりケアを
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虫歯になりやすい奥歯は、普段のケアをしっかりして虫歯にならないようすることが大切。歯科医院で定期検診や歯磨きの指導を受けて、大切な歯をしっかり守りましょう。
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