不快な口臭の発生源は?
何となく口が臭っているような気がすることは誰にでもあるものです。口臭は自分では気づきにくいものですが、厳密にいえば口臭がまったくない人はいません。では、口臭の原因を考えてみましょう。
口臭の原因は主に3つにわけることができます。
1生理的なもの
起床時、空腹時、緊張時、妊娠・月経時
2病的なもの
歯垢、虫歯、歯周病、義歯・金冠・ブリッジ、舌苔(ぜったい)
3嗜好品や食べかす
にんにくやニラといった有臭食品を食べたため、タバコ・アルコール・コーヒーなどの嗜好品
この中で最も多いのが2です。食事をすれば誰でも歯垢はつきますが、そのままにしておくと細菌の働きでさらに腐敗・発酵して歯に付着しつづけることで虫歯の原因になります。虫歯は1本だけでも強い臭いを発生させますし、義歯・金冠・ブリッジがぴったりと合っていないと歯との隙間が細菌の巣になり、これも臭いの元となります。
また、焼肉を食べた後や、アルコールを飲んだときには誰にでも口臭が現れます。これは口から臭うのではなく、血液中に吸収された匂いの成分が吐く息に混ざるためです。ですから、にんにくを大量に食べたあとなどは、なかなか口臭は取れません。しかし、食べ物や飲み物による口臭は、やがて消えていきます。
一方で、いつも口臭があるという場合は、その原因のほとんどは歯周病や虫歯が原因です。
口臭予防は正しい歯磨きから
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「イヤなニオイは元から絶つ」これが原則です。その基本は正しい歯磨きと歯の治療です。
まず、ものを食べると、その食べかすが口の中に残り、それが歯垢となります。舌の表面には舌苔となって付着します。これらが原因となって臭うので、歯垢や舌苔がつかないような環境にするためには、食べたらなるべく30分以内に正しい歯磨きをすることです。
同時に虫歯、不良なつめ物、クラウンや歯の根の先に病気がないか、歯肉炎や歯周病などにかかっていないかを歯医者でチェックをしてもらうことです。虫歯を治療したり、古い詰め物を新しいものに替えたり、歯並びが悪ければ矯正治療などで整えたりする必要があります。
市販されている口臭除去剤は、あくまで一時しのぎのものです。口臭の原因をなくすことにはなりませんので、補助的なものでしかないことを覚えておきましょう。
口臭をなくすことは、日常のケアで可能です。正しい歯磨きをして臭いを出す細菌をなくしましょう。特に、歯周病の人は、細菌の絶対数が増加していますから、なおさら歯磨きは重要です。
唾液の分泌対処と舌掃除も忘れずに
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しかし、いくら歯磨きを心がけていても、口臭が気になることがあります。たとえば唾液が減っているときです。緊張やストレスで口が乾いている時、起床時などは唾液不足に陥っていて、それが臭いの原因となります。唾液が少ないと口臭だけでなく、歯周病や虫歯のリスクも高まってきます。
唾液が十分に出ていれば、口の中で増え続ける細菌は自然に食道から胃のほうへ流され、胃酸で死滅してしまいます。しかし、唾液が少なくなるとプラークコントロールができなくなるので、唾液を十分に出すようにすることが口臭予防につながります。
また、年を取るごとに少なめになるので、唾液が少なくなっているなと感じたときは、ガムをかむ、お茶を飲む、洗口液で口をゆすぐ、ハミガキをするなど、すぐに対処するようにしましょう。中でもおすすめはキシリトール入りのガムです。唾液を口の中にためながら噛むようにします。唾液を増やしたいときは食前がベターです。
口臭は舌が原因になることもあります。舌苔と呼ばれる舌の汚れは、食べかすや口の中の粘膜細胞の死骸、白血球など血液の成分などが積もったものです。これを歯ブラシで取り除こうとすると舌を傷つけることがあり、その傷から細菌に感染する可能性があります。シリコンなどでできた舌専用クリーナーで磨くようにしましょう。歯科医院や薬局などで購入できますが、あまり強くこすらないように注意してください。
最近では、口臭の強さを測定する器械もあります。簡単に自分でチェックできるものもありますし、本格的な検査をしてくれる歯科医院も増えています。心配な人は、まずは歯科医院で相談するとよいでしょう。
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