知らないうちに食いしばりをしている患者さんは多いです。食いしばりは知らず知らずのうちにやっていることが多く患者さんでは対応できないことが殆どです。そこでまずは食いしばりが起きる原因やその対処法について紹介していきます。
食いしばりの原因
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食いしばりは歯ぎしりの中の一つです。歯ぎしりというのは3種類に分かれています。クレンチングとグライディングとタッピングです。食いしばりはこの中でクレンチングにあたります。
食いしばりを始めとする歯ぎしりの原因には以下のようなものがあります。
精神的ストレス
歯ぎしりが起きる原因として一番多いです。精神的なストレスがかかると歯ぎしりが発生しやすくなります。精神的なストレスが過度にかかっているので睡眠中という不随意な状態で症状が出てきます。
不適合な補綴物
皆さんは椅子に座っている時、お尻が椅子とあっていないときに何度も坐り直しをしませんか?口の中でも同じようなことが起きます。口の中では被せ物が適合していない場合に何度も噛んで被せ物が合うようにしてしまうのです。これも最初は口の違和感として行いますが、次第に癖になってしまい最終的には無意識の状態で食いしばりをしてしまうのです。
食いしばりを放置していると
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無意識にしてしまっている食いしばりですが、そのまま放置してしまうと恐ろしいことが起きるかもしれません。
歯がすり減る
食いしばりは放置していると歯がすり減ってしまうことが考えられます。またグライディングやタッピングなども起きやすく結果的に歯は悪影響が起きます。
歯が割れる
歯を噛み締めていると歯に持続的な力がかかります。圧力が長期間かかると歯が撓んで行き最終的に歯が割れる危険が出てきます。歯が割れてしまうと最終的に抜歯をせざるをえないこともあるので注意が必要です。
顎関節に異常が出る
持続的に噛み締めていると顎関節に負担が大きくかかります。そのまま負担をかけ続けてしまうと顎関節に存在する関節円板という軟骨が磨り減ってしまい口を開け閉めするときに痛みが出てしまいます。
肩こり
食いしばりを長期間していると咀嚼筋や肩周り、背中の筋肉が凝り固まってしまいます。その結果として肩こりや頭痛を引き起こすことが多いです。
食いしばりの治療法
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では、食いしばりがある患者さんにはどのような治療をするのでしょうか。一般的な治療法を紹介していきます。
マウスピース作成
一般的で臨床での適用が一番多いのはマウスピースを作成することです。どうしても寝ている間に食いしばりが起きてしまいます。寝ている間なので意識がなく自分で止めることができません。自分で止められない分、食いしばりをしても問題がないようにマウスピースを装着します。マウスピースは柔らかい素材なので食いしばっても歯を保護してマウスピースが力を吸収してくれます。
ストレス発散
食いしばりを始め歯ぎしりが起きる原因にはストレスがありました。ストレスがかからないようにするのは大切ですが職場や日常生活で知らず知らずのうちにストレスは抱えてしまいます。そこでストレスを発散するように心がけましょう。カラオケや友人との会食など方法は様々です。
ストレスを抱え込まず発散するようにしましょう。
疾患の治療
食いしばりを招く疾患に逆流性食道炎があります。逆流性食道炎は胃酸が食道へ逆流する状態のことで吐き気を伴います。吐き気を抑えるとき自然と歯を食いしばることが多く、習慣化されると食いしばりを日常生活でもしてしまうことが多いです。逆流性食道炎は食道癌の発症リスクも高くしてしまうので疾患の治療も積極的に行うようにしましょう。食いしばりは歯だけでなく身体の健康にも関わっていきます。
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