歯ぎしりは夜中にすることが多いです。しかし、歯ぎしりをしている患者さんが自分が歯ぎしりをしている認識は少ないです。歯ぎしりをする原因は様々なのでこれと原因を特定することは難しいですが、今回は歯ぎしりをする原因について紹介して行きたいと思います。
歯ぎしりの原因
歯ぎしりをする理由は様々です。その中でも代表的な原因について紹介して行きます。
ストレス
歯ぎしりの原因で一番多いのがストレスです。職場や学校などでストレスがかかっている状態は身体に出ません。ストレスを感じているとストレスを改善しようと患者さんは知らないうちに強く噛み合うことでストレス解消を行います。ストレスは一見してみると自分で感じていないかのように感じますが、耐えきれない場合、身体が勝手にストレス解消をしていくのです。それが不随意のとき、つまり寝ているときに起きてきます。
噛み合わせ
噛み合わせが合っていないと歯ぎしりをする原因になります。歯科治療でも被せ物を新しく製作した後には噛み合わせが合わないことがあり、噛んでみると少し高い印象を受けることがあります。そこで噛み合わせが高いと今までの噛み合わせに合わせようと強く噛みこむ癖が出てきます。
癖
歯を食いしばることも、すり合わせることもすべて癖です。それなので癖の治療をしていかなければいけません。また、患者さんに癖の重要性を理解してもらうことで歯ぎしりを予防できます。
歯ぎしりの種類
歯ぎしりは一つではありません。3種類あります。ここでは3種類の歯ぎしりについて紹介して行きます。
グライディング
上下の歯を噛み合わせた状態で左右に大きくギリギリと動かすことをグライディングと呼びます。グライディングは歯同士を削り合うので歯が大きく欠損してしまいます。
クレンチング
クレンチングは噛み締めた状態をいいます。持続的に長時間噛み締めていると咀嚼筋が緊張したままで、肩こりや頭痛などの症状が発生しやすいです。
タッピング
タッピング運動は上下の歯がカチカチと噛み合っている状態です。寝ている間に無意識のうちにカチカチと噛み合ってしまい症状が悪化します。タッピング運動をしたまま放置してしまうと歯が欠けるリスクが大きくなります。
歯ぎしりの治療
歯ぎしりを治療するにはどのような方法があるのでしょうか。歯科治療では患者さんへの侵襲度の低いものから治療として実践していきます。
患者さんのストレス発散
歯ぎしりが起きる原因として多いストレスから患者さんを解放させることで歯ぎしりが軽減できることが多いです。そこで患者さんには積極的にストレスを発散してもらいます。ストレス発散の方法としてはカラオケや友達と遊ぶなど多くの方法がありますが患者さんにあったものを選ぶようにしましょう。
マウスピース装着
睡眠中に無意識に歯を擦り合わせている場合、マウスピースを装着すれば歯が削れるのを防ぐことができます。このマウスピース装着はグライディングの患者さんやクレンチングの患者さんに効果的です。
マウスピースの素材は歯よりも柔らかいので歯が削れずにマウスピースが削れてくれます。
正しい噛み合わせ
口腔内で正しい噛み合わせができていて、噛み合わせの不適合がなければ多くの場合歯ぎしりが起きにくいとされています。場合によっては歯を削ることになるので侵襲度が低いとは言えませんが歯ぎしりが治る可能性があれば治療します。また、不適合な補綴物や被せ物が口腔内に存在している場合は作り直すことも重要です。
歯ぎしりは患者さんごとに原因が異なりますし、治療が難しい症例が多いです。最終的な治療は患者さんに協力してもらう必要が出てきますので皆さんも歯ぎしり治療の際はぜひ協力してください。
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