気になる子供の受け口！治療は必要？

子供の受け口が気になる親御さんは意外に多いものです。このまま成長の過程で改善されるのか、あるいは治療が必要になるのか。その点について詳しく解説します。

受け口というのは、大まかにいうと顔貌の印象の問題です。下の顎が前方に出ているため、「しゃくれている」と表現されることもありますね。ですから、子供の頃からそのまま大人になるまで、受け口でいる人も珍しくありませんので、その人の個性ということもできます。けれども、コンプレックスとなるような極端な受け口や噛み合わせに異常をきたすような受け口はある種の異常ととらえることができ、治療が必要なります。

受け口は、専門的に「下顎前突（かがくぜんとつ）」といいます。下の顎の骨が前方へ突出するため、このような名前が付けられています。そんな下顎前突が子供に見られる場合は、まず歯医者に診てもらいましょう。矯正歯科や小児歯科では、子供の歯だけでなく、骨格の発育も診断できますので、受け口が気になった時点で1度診てもらうことが大切です。なぜなら、受け口を治すのであれば、発育途上である子供の頃が最も効果的だからです。

受け口の原因は、上顎骨の成長が少なかったり、下顎骨の成長が多かったりするアンバランスによって生じることが多いため、発育途中でなければ効果的な治療は施せません。とはいえ、大人になってからでも、受け口の原因によっては治療を施すこともできます。それはあくまでケースバイケースといえます。

受け口は、すべて症例で治療が必要になるわけではありません。審美性や機能性を害することのない、ちょっとしたしゃくれであれば、子供でも大人でもひとつの個性として捉えれば良いといえます。けれども、受け口のせいで上下の歯列が上手く噛み合わなかったり、発音に障害が生じたりする症例では、子供の頃から適切な治療を受けることをおすすめします。そうした異常は、大人になっても温存されるか、発育の過程で悪化することもあり得ます。

子供の歯列不正や不正咬合で最も警戒する症状のひとつが受け口です。受け口は将来的にさまざまなお口のトラブルを引き起こしかねませんので、気付いたらまず歯科医院を受診しましょう。とくに子供の顎の発育に詳しい小児歯科や矯正歯科の先生がいる歯科医院がおすすめです。受け口に対する治療が必要になるのかどうかは、診査してみなければわかりません。