正しい歯並び(噛み合わせ)が、どのような状態なのか知っていますか?
悪い歯並びというと、凹凸の多い歯並びを連想する方が多いですが、実は一見きれいに歯が並んでいるように見えるケースでも、歯並びや噛み合わせに問題がある場合があります。
今回は、歯並び・噛み合わせのセルフチェックポイントを紹介します。自分の歯並びを良く確認してみましょう。
正しい歯並び(噛み合わせ)とは?
はじめに、「正しい歯並び」「正しい噛み合わせ」とはどのような状態なのでしょうか。鏡を見て、自分の歯並びをチェックしてみましょう。
【正しい歯並び(噛み合わせ)】
奥歯を噛み合わせて「イ」の形にした時の状態でチェックします。
・ 上下の前歯の中心が合っている
・ 前から数えて同じ番号の歯を上下で比べた時、上の歯の方が奥にある
・ 上の前歯と下の前歯の間に、前後2〜3mmの隙間がある
・ 上の前歯が下の前歯に、2〜3mmかぶさっている
上下の歯の先端がぴったりとくっついている状態は、「切端咬合(せったんこうごう)という不正咬合の一つです。綺麗に並んでいる事から、歯並びが良いと勘違いする事がありますが、噛み合わせが悪い状態になります。
不正咬合の種類
不正咬合には、様々な種類があります。凸凹とした歯並びだけが「悪い歯並び」という訳ではありません。代表的な不正咬合を紹介します。
(1) 叢生(そうせい)
「乱杭(らんぐい)歯」とも言われます。顎の大きさに比べて、歯が大きい事で、歯並びが凸凹としたり、重なり合っている状態です。「八重歯」も叢生の一種です。汚れが溜まりやすく、歯ブラシが届きにくいため、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。
(2) 上顎前突(じょうがくぜんとつ)
「出っ歯」とも言われます。上の前歯が外側に強く傾斜していたり、上顎全体が前に出ている状態です。
(3) 下顎前突(かがくぜんとつ)
「受け口」とも言われます。下の歯が上の歯よりも前に出ている状態をいいます。「サ行」や「タ行」の発音がしにくいなどの問題があります。
(4) 開咬(かいこう)
歯を噛み合わせた時に、上下の前歯に隙間が空いてしまって噛み合わず、奥歯だけで噛んでいる状態をいいます。前歯が噛み合わないので、ものを噛み切る事が出来ません。
(5) 過蓋咬合(かがいこうごう)
上の歯と下の歯の重なりが深い状態の歯並びを指します。上の前歯が覆いかぶさってしまうため、下の歯がほとんど見えません。噛む力が多くかかって、歯が磨耗しやすくなります。
(6) 空隙歯列(くうげきしれつ)
「すきっ歯」とも言われます。顎の大きさに比べて歯が小さい場合や、歯の本数が少ない場合に起こります。前歯の隙間が目立ってしまう事があります。
乳歯列の「すきっ歯」は、顎の成長に伴って起こる正常な歯並びですので、気にする必要はありません。
歯並び(噛み合わせ)のセルフチェックポイント
自分の歯並びに次の項目に当てはまるところがないか、チェックしてみましょう。いずれかに当てはまる場合には、何らかしらの不正咬合になっている事が考えられます。
まず歯を鏡で見てみましょう。
・ 歯と歯の間に隙間がある
・ 歯並びが凸凹としている
次に、噛み合わせた状態でチェックしてみましょう。
・ 上下の前歯が開いてしまっている
・ 上の前歯で下の前歯が隠れてしまっている
・ 上の前歯が下の前歯より4mm以上前に出ている
・ 上の前歯より下の前歯が前に出ている
・ 上の前歯と下の前歯の先端同士がくっついている
・ 上下の前歯が全体的に前に出ていて、口元が突出している
まとめ
チェックポイント以外にも、不正咬合が潜んでいる場合があります。不正咬合は、見た目の問題だけでなく、食事や発音などの機能的な問題や、虫歯や歯周病のリスクが高くなるなどの問題が発生する事があります。
セルフチェックだけでは、歯並びや噛み合わせの問題に気がつかない事も多いですので、一度歯科医院でチェックを受ける事をお勧めします。
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