歯科矯正ってどうやるの
最近は歯並びを気にする人も増えてきて、歯科矯正を受けることも珍しいことではなくなりました。熱心なお母さんの中には、乳歯の頃から歯並びについて歯科医に相談する人も少なくないそうです。
では実際に歯科矯正はどのように行うのでしょうか。
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一般的なのはブラケット
歯科矯正には、さまざまな方法があり、患者の歯の状態や希望する治療期間や費用などによって、最適な方法がとられます。最も一般的なのが、歯にブラケットという装置を付け、そこに針金を通す方法です。針金で歯に力を加えることで、少しずつ歯の位置を動かして歯並びを整えます。
また、1本だけ歯が飛び出していたり、あまりに歯並びがでこぼこしている場合は、歯を抜いて、できたスペースを利用して歯を動かすこともあります。このほか、歯を動かさずに、歯を削ったり抜いたりして、被せ物や差し歯などを使うこともあります。
矯正治療に二の足を踏む理由は
誰でも、口元はきれいに整えたいもの。それに、歯並びがきれいになれば、言葉もはっきり話せるようになり、噛む力も強くなるので健康になります。また、歯磨きで歯の汚れを落としやすくなり、虫歯や歯周病を防ぎやすくなります。
しかし、なんといってもネックになるのは費用。部分的に直すだけでも数十万円、歯並び全体を矯正するのなら、器具や診察費を合わせて100万円以上になってしまいます。治療期間も数年かかります。
また、ブラケットを使った矯正では、どうしても器具と針金が目立ってしまい、それを気にする人も多いようです。
もう口元も気にならない
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保険が適用されない矯正治療が高額になるのは、仕方のない部分がありますが、器具については改良が進み、今では他人にはわからない装置も出てきました。それは、ブラケットを歯の表側に付けるのではなく、裏側に装着する舌側矯正という方法です。
舌側矯正のメリットは
舌側矯正では、矯正器具はすべて歯の裏側に取り付けられるので、大きく口をあげて上でも見ない限り、他人からはほとんど見えません。職業柄、歯の表側に装置を付けられない、人と接する機会の多いというひとにはうってつけの方法です。
また、矯正装置には食べ物のかけらなどは挟まりやすく虫歯になりやすいのですが、歯の裏側は表側に比べてエナメル質が丈夫なので、虫歯になりにくいといえます。
このほか、舌で前歯を押す癖がある人には、癖を直す効果があります。
舌側矯正のデメリットは
舌側矯正のデメリットとしては、歯の裏側に装置を付けるだけに歯科医に高度な技術が求められることがあげられます。また、装置もオーダーメードになるため、技術料や装置の費用を合わせると、表側の矯正に比べ1.5倍ほどの費用がかかってしまいます。
また、装置が舌に当たり違和感や痛みを覚える人もいます。発音がしにくくなったり、食事がしにくくなったりする人もいます。これらは、1~2カ月程度で慣れてきて、あまり不便を感じなくなるようです。
取り外しが簡単なマウスピース型も
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まだまだ、日本では普及していないのですが、器具と針金の代わりに専用マウスピースを使って矯正を行う方法もあります。アメリカでは20年ほど前から使われるようになり、かなり普及しているそうです。
マウスピース矯正のメリットは
マウスピースは透明で、ほとんど目立ちません。また、食事と歯磨きのときに外すことができるので、違和感なく食事ができ、歯磨きもしっかりできます。
素材にはポリウレタンが使われているので、金属アレルギーの心配もありません。マウスピースは一人一人の歯型に合わせて作られるので、ブラケット矯正に比べ痛みも少ないようです。
マウスピース矯正のデメリットは
マウスピース矯正は、どんな症例にも使われるわけではありません。普及が進んでいるアメリカでは幅広い症例に使われているようですが、日本では複雑な矯正は難しいという考え方が主流です。日本にも「複雑な症例にも対応できる」とマウスピース矯正をメーンにしている歯科医はいますが、まだまだ少数です。
また、取り外しが簡単にできる分、ややもすると装着を忘れがちになってしまいます。通常、1日20時間以上装着していないと効果が出にくいとされていますから、注意が必要です。
費用については、保険が利かない自由診療ですので、一概にはいえませんが、ブラケット矯正よりはやや高額です。特に、複雑な矯正の場合や装着時間が足りなかった場合は、ブラケット矯正より期間がかかってしまうので、費用がかさむことがあります。
失敗しないよう、事前に歯科医と相談を
矯正治療は基本的に保険適用外で、高額な費用がかかります。そのうえ、治療は長期間にわたります。
事前によく説明を受けないと、予想以上の費用に頭を抱えることになりかねません。また、事情ができて途中で治療を断念しなければならなくなることもあります。
ましてや、最新の治療はまだ導入している医院も少なく、習熟している歯科医もそれほど多くはありません。
治療を受ける前には、「こんなはずでは」と後悔しないよう、納得いくまで十分に説明を受けてください。
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