銀歯が原因の金属アレルギー？歯科金属アレルギーとは？

体質的に金属アレルギーを持っている場合、口の中でもアレルギーを起こしてしまうことがあります。また、これまでアレルギーを持っていない人も、ある日急に症状が出ることもあります。
アレルギーとして多くの人を悩ませている花粉症も、これまで何にも反応していなかったのに、急にくしゃみが止まらなくなって…という話を聞いたことがありませんか？

金属は、水分のあるところで金属イオンとして溶けだし、体に蓄積され、過剰になるとアレルギー反応が出るとされています。

虫歯治療で使われる銀歯も、金属ですからアレルギーを発症する可能性があります。また、銀歯のアレルギー原因の多くは、バラジウム合金で作られていることが多いのですが、それを使っている銀歯かどうかは自分では分かりませんよね。歯科医院で検査が必要となります。

銀歯アレルギーのよくある症状は口内炎が頻繁にできることや、舌にピリッとした痛みを感じることです。また、唇の腫れやただれ、口角炎など口の周りの症状もあります。
このように口の中の症状、口内炎や歯周病、舌炎などの症状であれば、口の中に原因があるかもしれない、と気付けます。
しかし、アレルギーの原因物質は、血液の流れにより全身に回ります。背中や手、足、全身の皮膚に湿疹などの炎症が現れることもあり、こうなると銀歯が原因と気付きにくく、原因不明のまま苦しむケースも少なくありません。
またアレルギーと気付きにくい頭痛やめまい、慢性的な肩こりになることもあります。円形脱毛症となり、皮膚科でステロイド剤による治療を行い効果が出ず、歯科で相談したところ金属アレルギーが原因と分かったということもあります。

さらに偶然、治療のために銀歯を外したところ、アレルギーがピタッと止まったことから原因が判明する、ということもあるくらいです。

アレルギーの原因はいろいろあるのですが、銀歯もアレルギーの原因となりうることを知っておくだけでも、いざという時の対処が変わってくるでしょう。

まずは、歯科金属アレルギーが原因かどうか、特定のためのテストを行います。
試薬のついたパッチシールを体に貼り、2日、3日、7日後の皮膚状態をチェックします。
皮膚が弱いなど悪影響が出る可能性がある場合には、血液検査で行うこともあります。

さらに、口の中にある銀歯などの一部を削り取り、成分をエックス線分析して、金属を特定していきます。

もし、詰めている銀歯などが原因である場合には、アレルギーの出にくいレジンやセラミックなどに変える方法があります。
コンポジットレジンは、保険診療でできる白い詰め物でプラスチックでできています。前歯や奥歯の小さな虫歯治療に使用でき、処置も早く終わります。ただ、強度があまり強くなく、経年劣化から変色するというデメリットもあります。

また、金属を使わずにセラミックだけで治療するオールセラミックにするのもよいでしょう。
現在では、詰め物、かぶせ物、ブリッジなどセラミック治療の開発が進んでいて、ほとんどの治療でセラミックを使うことができます。
自然の歯に近い光沢や白さを持つため、自然で美しい仕上がりになり、経年劣化がなく天然の歯よりも硬度が強いのもメリット。ただし、保険外診療となるため、価格が高くなります。

アレルギー症状に悩まされていて、原因が分からない場合、もしかしたら口腔内の銀歯による金属アレルギーが原因かもしれません。
コロナ禍で自宅にいる時間も長くなっているかもしれません。この時期に一度、歯科医院に相談に行き、パッチテストを受けてみるとよいでしょう。