妊娠すると歯茎の色が変わる?原因と対策とは

妊娠すると歯茎の色が変わる?原因と対策とは

妊娠すると歯茎が赤く腫れたり、黒ずんでくる人がいます。実はこれ、歯周病のサインです。妊婦が歯周病になりやすい原因と対策を紹介します。 2018年10月09日作成

  • カテゴリ歯の治療・審美 - 歯茎治療
  • VIEW:207

妊娠すると歯茎が赤く腫れたり、黒ずんでくる人がいます。実はこれ、歯周病のサインです。妊婦が歯周病になりやすい原因と対策を紹介します。 2018年10月09日作成

TOPIC 01

妊娠後に歯茎の色が変わりやすいのはなぜ

妊娠すると歯茎が赤くなったり黒ずんできたりする人がいます。これは歯周病のサインです。どうして、妊娠すると歯周病になりやすくなるのか。その原因と対策を紹介します。

出典元:https://www.shutterstock.com

歯周病とは、歯の表面についた細菌のかたまりが毒素を出しながら、歯と歯茎の間から中に進んでいく病気です。放置していると、歯が抜けてしまうことがありますし、他の病気を引き起こす原因となってしまいます。

歯周病になると、歯茎が赤くなり炎症を起こすのは、歯茎についた細菌と戦うために体が毛細血管をつくるからです。このため、硬い食べ物が当たったり歯磨きをしたりすると、毛細血管が切れて出血しやすくなります。

さらに細菌は歯と歯茎の間から歯茎の奥にまで進み、歯茎と歯の間にどんどん汚れや細菌がたまっていきます。すると、外からは歯茎が黒っぽく見えてきます。こうなると、歯を支える組織や骨も破壊され、歯がグラグラしてきて、最後は歯が抜けてしまいます。

TOPIC 02

女性ホルモンが歯周病の原因に

出典元:https://www.shutterstock.com

女性が妊娠すると女性ホルモンの分泌量が急増します。普段の10倍から30倍の量になるといわれます。

女性ホルモンには高血圧や糖尿病を防ぎ、骨密度を高めるなど大切な役割があるのですが、歯の健康にとってはマイナスとなってしまいます。それは、歯周病の病原菌の中に女性ホルモンを好物とする菌が存在するからです。菌は女性ホルモンを餌に増殖し、歯周病を進行させてしまうのです。

また、妊娠中はつわりによって吐き気がひどくなることが多く。食生活が不規則になったり、歯磨きが不十分になったりします。こうしたことも、歯周病の原因となってしまいます。

このように妊娠中は歯周病になりやすく、特に「妊娠性歯肉炎」と呼ばれます。

TOPIC 03

歯周病には早産のリスクも

出典元:https://www.shutterstock.com

歯周病の原因となる細菌や細菌が産出する毒素は、歯茎の血管にも入り込み、さまざまな病気の原因や進行の要因となることがわかってきました。

例えば、細菌が血管の内部に取り付き、血管を詰まらせたり心臓の中に入ったりすると心筋梗塞や脳卒中の原因になるとされますし、気管に入ると気管支炎や肺炎の要因になるといわれます。

また、歯周病によって炎症が広がると、それを抑えようとして体内でさまざまな物質がつくられます。その中には、プロスタグランジンがあるのですが、プロスタグランジンは出産間近に子宮内で分泌される物質であるため、子宮の収縮を促してしまい、早産の原因になることがあります。このほかにも、胎児の成長を妨げる物質がつくられ、低体重児の原因になるともされています。

このため、重い歯周病の妊婦は、歯が健康な妊婦に比べ早産や低体重児出産となるリスクが高いという研究結果もあります。

TOPIC 04

妊娠中の歯周病対策とは

歯周病は歯磨きなどのケアをしっかり行っていれば、予防したり進行を抑えたりできますが、妊娠中は思うように歯を磨くできないこともあります。無理に歯磨きをして体調を崩しては大変です。妊娠中におすすめの歯周病対策を紹介します。

出典元:https://www.shutterstock.com

体調のよいときはしっかり歯磨き

つわりがひどいと、歯磨きをするのもつらいものです。体も動かしにくいので、歯磨きをするのも億劫になることもあるでしょう。そんなときは、体調のよい時間帯にしっかり歯のケアをしましょう。できれば、歯ブラシだけでなく、デンタルフロスなども使い丁寧に歯の汚れを落としましょう。

歯ブラシを口に入れるだけで気分が悪くなるのであれば、子供用の小さな歯ブラシを使えば、つらさが軽減されることもあります。歯磨き粉のにおいがつらい人は、歯磨き粉を付けずに磨くといいでしょう。歯磨き粉がなくても、汚れは十分に落ちます。

水分をしっかり取る

口の中は唾液によって清潔に保たれています。口の中が渇いていると、細菌が繁殖しやすくなり、虫歯や歯周病の原因となります。口の中の乾燥を防ぐため、こまめに水分を取りましょう。

飲むのは、水や麦茶などがいいでしょう。妊娠中のカフェインの取りすぎは、胎児の発育に影響する恐れがあり、コーヒーや緑茶、紅茶は避けた方がよいとされます。ハーブティーなどもおすすめです。

当然、虫歯予防のため、糖分を含むジュースや炭酸飲料はやめましょう。牛乳など乳飲料も歯垢の原因になるので、控えるようにした方が無難です。

定期的に歯科医院でチェック

歯磨きで落とせる歯の汚れは、6割程度ともいわれます。なかなか、自宅での歯磨きだけでは歯を十分にケアすることはできません。定期的に歯科医院で口の中の状態をチェックしてもらいましょう。できれば、妊娠前から定期検診を受けるのがベストです。

歯科医院を受診するときは母子手帳を持参し、妊娠中であることを告げるのを忘れずに。妊娠初期は虫歯の治療などはできませんが、妊娠5カ月から7カ月の安定期には安心して治療を受けられます。

TOPIC 05

大切な赤ちゃんのため、歯の健康にも気を付けて

出典元:https://www.shutterstock.com

妊娠中はどうしても、体のさまざま変化によって虫歯や歯周病になりやすくなってしまいます。

特に歯周病は歯茎が赤く腫れたり黒ずんだりするだけでなく、自分の健康を損ね、お腹の中の赤ちゃんにまで悪影響を及ぼします。

妊娠したら、歯科医院にも定期的に通い、歯を大切に守りましょう。それが、ひいては生まれてくる赤ちゃんを守ることにつながります。

  • カテゴリ歯の治療・審美 - 歯茎治療
  • VIEW:207