重症度によって変わる虫歯の治療法

重症度によって変わる虫歯の治療法

虫歯の治療法は、重症度によって変わるだけでなく、失う歯質の量も異なります。ここでは虫歯の時期に応じた治療法についてご紹介します。 2018年06月25日作成

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虫歯の治療法は、重症度によって変わるだけでなく、失う歯質の量も異なります。ここでは虫歯の時期に応じた治療法についてご紹介します。 2018年06月25日作成

虫歯は進行度に応じて治療法が変わります。ここでは初期の虫歯から重症度の虫歯に至るまで、適切といえる治療法について解説します。

初期の虫歯は治療の必要がない?

出典元:https://www.shutterstock.com/

虫歯になりたての歯には、独特な症状が現れます。それは「白斑」と呼ばれるもので、局所的に白く変色していたら初期の虫歯が疑われます。ただ、この段階では痛みや違和感などの自覚症状は全く現れず、歯の表面もツルツルとしていますので、患者さん自身が気づくことは非常に稀といえるでしょう。

そんな初期の虫歯に対しては、経過観察することが多いです。なぜなら、白く変色した部分というのは、軽い脱灰(だっかい)が生じているだけなので、オーラルケアを徹底すれば、再石灰化することも可能だからです。そのため、歯科医院では初期の虫歯に対してフッ素塗布をして、歯質の強化をはかることがあります。ともあれ、歯を削ることはまずないといえます。

エナメル質の虫歯は削ってレジンを充填する

虫歯が少し進行すると、歯の最表面を覆っているエナメル質に穴があきます。そうなると、虫歯菌に汚染されている歯質を削って、レジンなどの詰め物をすることになります。実はこの段階でも、痛みなどの自覚症状はほとんどないため、患者さん自身が気づくことも少ないです。

象牙質の虫歯は削る量も増えてくる

虫歯が象牙質にまで到達すると、いよいよ強い痛みなどを生じるようになります。すぐ近くに存在する歯の神経を刺激して、歯髄炎を起こすことも珍しくありません。

そうした象牙質の虫歯では、虫歯菌に侵された歯質を削ることはもちろんのこと、病巣が深ければ歯の神経を抜かなければならなくなります。その際とられる治療法が抜髄(ばつずい)と呼ばれるものです。その後はレジンや金属製のインレーを装着します。

歯の神経にまで達した虫歯は根っこの治療が必要

虫歯菌が歯の神経にまで達すると、根管治療と呼ばれる歯の根っこの治療が必要になります。根管治療はとても精密な処置で、根管内を無菌化するには数ヵ月かかることも珍しくありません。また、適切な治療法を施さなければ、再感染を起こすこともありますので要注意です。根管治療によって歯の内部が無菌化された、クラウンと呼ばれる補綴装置を装着します。

歯の根っこしか残らない重度の虫歯の治療法とは

虫歯は、最も重症化すると残根状態となります。つまり、歯冠部のエナメル質や象牙質は全て溶けて崩壊し、歯の神経も死んだ状態です。ここまでくると、虫歯治療によって歯を残すことは難しくなりますので、治療法として抜歯が適用されることが多いです。抜歯によって歯の根っこを除去し、その後にはブリッジや入れ歯、インプラントなどの治療法で対応します。

虫歯は早期発見早期治療が大切

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このように、虫歯は進行すればするほど、治療法が大掛かりになりますし、残せる歯質の量も減ります。ですから、早期発見することが何より重要といえます。ただ、上述したように、早期の虫歯というのはなかなか患者さん自身が自覚しにくいため、専門家による診断を定期的に受けることをお勧めします。

具体的には、歯の定期健診です。3~6ヶ月に1回、歯科医院を受診してお口の中を歯科医や歯科衛生士に診てもらうことで、初期の虫歯を発見することも可能となります。また、定期的にフッ化物塗布などの予防処置を受けることで、虫歯の発症そのものを抑えることもできますので、定期健診は非常に重要といえます。

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