虫歯治療に審美歯科がおすすめな理由とは

虫歯治療で初めて歯医者さんにいくと、まず問診票を渡されますよね。そこで、必ず聞かれるのが「保険適用外診療を希望しますか」です。

いつも「希望しません」と答えている方、「保険適用外ってどんな治療で、いくらぐらいかかるのだろう」と思ったことはありませんか。「高そうで、なんだか聞きにくくて」という方に、保険適用外診療の一つ「審美歯科」での虫歯治療のメリット、デメリットをお教えします。

一般的な虫歯治療では、歯の悪い部分を削り、レジン（歯科用プラスチック）という詰め物をしたり、合金の金属を被せたりします。いずれも保険適用なので、治療費は安く済みます。

しかし、レジンは最初の頃は歯に近い色をしているのですが、劣化が早いため２，３年もすると変色するというデメリットがあります。また、プラスチックですので素材として柔らかく、欠けたり割れたりすることがあります。

その点、合金は強度に優れますが、金属アレルギーを引き起こす恐れがあります。また、銀色をしているので（よく「銀歯」といいますね）、口を開けたときに目立ってしまい、見た目にはあまり美しいとは言えません。

そこで、見た目も美しく、治療した歯を長持ちさせたい場合には、審美歯科や矯正歯科など保険適用外の治療が必要になります。

虫歯の治療だけではなく、歯並びを整えて虫歯になりにくくしたいというときには、矯正治療も有効ですが、歯科矯正には何年もかかります。短期間で、見た目もきれいにし治療した歯を長持ちさせたいという場合には審美歯科がおすすめです。

審美歯科での虫歯治療にはいくつかのメリットがあります。どのような人がメリットを感じられるのか、紹介していきましょう。

審美歯科で使われる素材にはいくつかありますが、治療後にも白い歯を保ちたいという場合には、主にセラミック（陶器）やジルコニア（人工ダイヤ）が使われます。セラミックやジルコニアは色を変えることができるので、本人の本来の歯の色に合わせて色を選ぶことができますし、レジンのように数年で変色するようなことはありません。

セラミックにはいくつか種類があり、セラミックだけで作製するオールセラミック、金属の周囲にセラミックを張り付けたメタルボンド、レジンにセラミックを混ぜたハイブリッドセラミックがあります。

銀歯などの金属を詰め物や被せ物に使うと、長い期間をかけて金属の成分が溶け出し、金属アレルギーを引き起こすことがあります。また、歯ぐきが黒っぽく変色することもあります。

その点、セラミックやジルコニアなら、金属を使っていないので、金属アレルギーなどの心配はありません。ただし、メタルボンドは中身が金属なので、アレルギーへの注意が必要です。

また、金合金（金歯）などの貴金属を使った素材も、金属の溶け出しによるアレルギーや歯ぐきの変色が起こりにくいとされています。

セラミックやジルコニア、金合金はレジンや銀歯に比べ、歯にぴったりくっつき、本来の歯との間に隙間ができにくいといわれています。ですから、銀歯やレジンのように詰め物や被せ物の下がいつの間にか虫歯になっていたということも起こりにくくなります。

また、強度もあるのでレジンや銀歯などを使った保険治療よりも長持ちします。しかし、セラミックはやや強度で劣り、割れてしまうことがあるので、歯ぎしりのひどい人や歯をくいしばることが多い人は注意が必要です。

審美歯科で治療を受けるとき、やはり気になるのは料金です。原則として保険適用外ですから、全額を自己負担しなければなりません。また、料金は医師がそれぞれ自由に決められるので、治療を受ける医院によって大きく差が出ます。

費用は材料の仕入れ値や人件費、医院の診療方針などによって変わるので、一概には言えませんが、被せ物の場合、１本当たりオールセラミックで８万円から12万円、ハイブリッドセラミックで５万円から12万円、ジルコニアで10万円から20万円といったあたりが相場のようです。

また、ハイブリッドセラミックは、条件によっては保険が適用されるようになりました。

セラミックやジルコニアを使うと、虫歯治療後の見た目が美しく、保険適用の場合に比べ長持ちもしますが、治療には高額の費用がかかります。また、虫歯の部位や患者の口の中の環境によっては、適さない素材もあります。

審美歯科を受診するときは、医師の説明を納得のいくまで受け、自分にあった治療法を選びましょう